腰痛の原因=椎間板ヘルニアだと多くの人が思っているのではないでしょうか。
しかし、2015年にアメリカ神経放射線学会誌(AJNR)で発表された大規模な研究で、これまでの常識を覆すデータが報告されています。
(メイヨ―・クリニック)
Systematic Literature Review of Imaging Features of Spinal Degeneration in Asymptomatic Populations
33件の論文をまとめ、腰に痛みのない健康な3,110名のMRI画像データを解析したところ、
・20代では29%に椎間板の突出(ヘルニア)が確認された。
・50代では36%に椎間板の突出(ヘルニア)が確認された。
・80代では43%に椎間板の突出(ヘルニア)が確認された。
(※椎間板の変性に至っては、20代で37%、50代で80%、80代で96%の人に確認されている)
出典:Brinjikji W et al. “Systematic literature review of imaging features of spinal degeneration in asymptomatic populations” AJNR Am J Neuroradiol. 2015 Apr;36(4):811-6.
doi: 10.3174/ajnr.A4173. Available at: https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/25430861/
オタモなんとこの研究では、腰痛のない人たちに椎間板ヘルニアがふつうに見つかっています
この結果を受けて、研究チームは次のように結論づけました。
MRI画像所見に基づく椎間板変性の多くは、正常な加齢現象の一部であり、痛みとは関連がないと考えられる
しかもこの論文は、わずかな人数を調べただけの偏った研究ではありません。
3,110名という圧倒的な人数のデータを、現代医学で最も信頼性が高いとされるシステマティックレビューおよびメタ分析という手法で解析したものです。
科学的な事実として、かなり信頼性の高いデータと言えます。
ただ、そうなると一番の謎が残りますよね。
ヘルニアじゃないなら、痛みの原因は何なんだよ!
では一体、痛みの背景には
何が関係しているのか?
たとえば、火災報知器の誤作動で考えてみると少し分かりやすいかもしれません。
家そのもの(=あなたの体や背骨)はどこも燃えていないし、壊れてもいない。
しかし、部屋中に警報(=痛み)だけが爆音で鳴り響いている状態です。
では、なぜ警報が鳴ってしまうのか?
それは、知らず知らずのうちに限界を超えて蓄積したプレッシャーや、抑え込んだ感情といった心への負荷が、
ちょっとした煙となって脳のセンサーを過敏に反応させているのかもしれません。
実は、その抑え込んだ感情やストレス・プレッシャーから自分自身を守るために、脳があえて痛みを発生させ、そちらに気を逸らしているのではないかと考える新しいアプローチが存在します。
それが、TMS理論(Tension Myoneural Syndrome/緊張性筋神経症候群)です。
(Tension Myoneural Syndrome/緊張性筋神経症候群)
無意識下に抑圧された強烈な感情から自分自身を守るために、
脳が自律神経系を通じて血流を制限し軽度の酸素欠乏を引き起こすことで、あえて痛みを発生させているのではないかという考え方。
つまり、痛みそのものは決して気のせいではありません。
強烈な感情による苦しみを感じさせないよう、脳が防衛反応によって引き起こす物理的な生理現象として捉える理論です。
この脳の誤作動とも言える心のはたらきが関係していると考えられる腰痛の仕組みと、痛みを根本から見直すための実践的なセルフケアの詳細は、以下のページに詳しくまとめました。



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